登場主要キャラクターまとめ

●ラット 人間♂ 15歳
フェンサー3 セージ1
ラット イナカ育ちの純朴な少年……だったはずが、いつの間にか「神につながる道」に関わるおまじないの言葉を知っていることに。 素直な正確が災いして、アクの強い面々に振り回されることが多い。パーティに残された唯一の良心。
●ジーク 人間♂ 15歳
ファイター2 プリースト1
ジーク 若い義理のお母さんにうっかり恋をしてしまった思春期ボーイ。もやもやした気持ちを振り切りたいのに、母親のいる町から離れられない。 同い年のラットとは早い段階から打ち解けているようだが、その実ラットを厄介ごとに巻き込んでるのはたいていジークだったりする。
●ジェセル ナイトメア♂ 28歳
コンジャラー2 フェンサー1 スカウト1
ジェセル ナイトメアとナイトメアの間に生まれたナイトメアという、自他共に認める「不健全担当」。 母を人間に殺されている過去を持ち、今では肌身離さぬ人形を「お母さん」と呼んでいたりする。 でもこのコ、本当は探索能力と補助魔法でパーティに貢献しているいいコなんです!
●クラウス ルーンフォーク♂ 30歳
マギテック2 シューター1
クラウス 第四の剣を捜し求めるルーンフォーク。剣の力を手に入れ、自分を生み出した文明が滅んだ借りを返したいと思っているらしい。 渋い西部劇キャラのようなロールプレイでかっこつけようともくろんでいるらしいが、果たしてダイスは彼に応えてくれるのだろうか?

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≪少年と地図とときどきおっさん≫

GM:では第一回を始めよう。しかしキミら、どうやって知り合ったんだ?

ラット:それが謎なんですよ(笑)。

デルタ:この世界の冒険者ってどんな感じなの?

「一般的に冒険者といえば「冒険者の店」に出入りし、そこで仕事を得ているものを
指し、 その店のエンブレム――通称”冒険の紋章”を身につけているのが普通です。」
(ルールブックP284より引用)

GM:……だそうだ。まあみんなまだ仕事を請ける前の段階で、お互い面識もないってところかな。 今キミらがたむろしているのは「片耳兎亭」という冒険者の店だ。亭主の名前はロッジ、片目片耳のタビットだね。

クラウス:こいつ、相当修羅場くぐってそうだぞ(笑)。

GM:実際、昔は実力派の冒険者として鳴らしてらしい。酔っ払うと「俺がこの目を失ったときは……」とか語りだす。

デルタ:年々、話が大きくなっていくんでしょ(笑)。

クラウス:『ドラゴンと戦ったときの話だ……そのとき俺は気づいたね。あの竜の左目こそ、第四の剣だったのさ!』とか(笑)。

GM:まあ、亭主からしてそんな大言壮語を吐くタイプなので、集まってくる冒険者もそんなタイプが多いみたいです。

ラットジーク:(クラウスの方を見ながら)なるほどー。

デルタ:……類は友を呼ぶ。

クラウス:ん? 私は亭主の言葉を本気で信じてるからね。あのマスターが「第四の剣」って言っているからには間違いはない! ってんで、剣に絡みそうな仕事をひたすら待って、他の仕事には目もくれません。「こんな小せえ仕事はできん」と(笑)。

ラット:冒険者経験ゼロのはずなのに、なんでこんなに自信満々なんだろう?

ジェセル:回り道しながら積み上げるんじゃなく、ストレートに行こうとしてるんだね(笑)。

ラット:私のキャラは田舎から出てきたばかりですかね。

ジーク:こっちは、この街の出身です。でもなるべく父親とは離れていたいと思って冒険者の店にいます。

クラウス:ああ、旅に出るとか言っておきながら……。

ジーク:義母のいるこの街から離れられない。

一同爆笑

ジーク:結局、実家から一番距離置けそうなところを選んだって感じで。

GM:なるほど……ってことは、お父さんはこの街で出世してるんだな。じゃあ、お父さんの名前も聞いておこうか(笑)。

ジーク:お父さんの名前!? ええと……(しばらく悩む)エドガー・ギルベール=オーギュ。とかで。

GM:よし。上級貴族街にギルベール=オーギュって家があることにしよう。 まあ元々
傭兵だったエドガー・ギルベールって男が、剣一本で成り上がったんだそうな。 今では飛ぶ鳥を落とす勢いで、そのぶん古い実力者から疎まれている。 お父さんとしても卑賤の出自がコンプレックスだったわけだが、つい最近、オーギュっていう家柄だけはあるのに経済的に落ちぶれた名家から若い令嬢を妻として迎えたらしいよ。

一同爆笑

クラウス:あっれぇ……ソードワールドだよね?(笑)

GM:ソードワールドですよ? で、ジェセルは流れてきた感じ?

ジェセル:そうだね。ちなみに俺、実際の母親を人間に殺されているから。 蛮族が人間の町を襲撃したんだけど、その蛮族の陰謀でうちらが真犯人だっていう濡れ衣を着せられたのね。 んで、怒った人間にお母さんは俺をかばって死に、お父さんは復讐の旅に出て……。そんな感じで、俺は隠者に育てられたということで。 今はその事件の真相を探っている感じかな。

クラウス:すると店のマスターが、『その事件の真相についてはしらないが、この店で
蛮族狩りをしていれば、いずれそのヒントが入ってくるかもしれない』とか言うわけだ。

GM:なるほどー(←注・GM)。

ジェセル:それもあるんだが、俺はなによりも、この街の人間があの事件なんてなかったかのように過ごしていることにびっくりしてるから。

クラウス:あんな大きな事件も忘れて、人の世の幸せを謳歌してるわけだしね。

GM:「まあ……そういえばそんな恐ろしい事件があったわねぇ」

クラウス:『でも、ここには守りの剣があるから安心さ!』

一同爆笑

ジェセル:そういや、2.0には守りの剣とかあるんだよね。

GM:うん。第一の剣の複製品だとか、穢れを排除する効果があるとかいう代物なんだが、要するに 「アンチ蛮族フィールド発生装置」と思っておけばよろしい(笑)。

デルタ:その蛮族ってなに? バーバリアンって訳じゃないんだよね?

GM:この世界では、創造神みたいなものが、「始まりの剣」って存在なんだ。プレーヤー側の種族ってのは、 調和を司る「第一の剣」に創られた種族で、「人族」と総称されてたりする。この第一の剣と戦争おっぱじめたのが、開放を司る「第二の剣」。 この第二の剣が作った種族が「蛮族」と呼ばれる存在なのね。穢れを抱えることによって力を得たんだが、そのせいで凶暴かつ残忍になったらしい。

ジェセル:具体的には、ゴブリンとかコボルトとか、前は妖魔と言われてた連中。

GM:他のゲームで言う、混沌の勢力とか、闇の種族とか、新デュール派鬼族みたいなもんだ。

クラウス:まあ、そこ(ジェセルを指す)に若干穢れ持ってるやつがいるんだけどな(笑)。

ジェセル:ナイトメアってのは、人族なのに穢れをもって生まれてきた奴らなのね。だから迫害されたりする。

デルタ:大体わかった。

GM:そんなデルタもおのぼりさん?

デルタ:この街に剣闘場みたいなものがあるといいんだが。

GM:裏路地ではストリートファイトまがいの賭けをやってるね。貴族たちの方も剣闘を娯楽として楽しんでいたりするようだ。

クラウス:キミはそこで旗揚げしようとしているわけか。

デルタ:そんなとこかな。

GM:出自も目的もバラバラなキミらが、偶然この片耳兎亭にそろったわけだ。 そんな折に、店の一隅でなにやら騒ぎが起きたようだ。12歳くらいの少年が、この店の冒険者 らしき男に向かって「やーめーろーよー、かーえーせーよー」と突っかかっている。

クラウス:『なんの用だ坊主。これは俺のものだぜ?』とか言ってんの?

GM:「こんなものが大事なのか? ただの紙くずじゃねーか」とか言いながら、くしゃくしゃに丸めて、えーい、おーい、 ってなふうに仲間とキャッチボールしてる。

ラット:そいつらは何人組くらいなんですか?

GM:4人組。ちなみに地元民のジークは、その中に1人だけ気になっている人がいる。 いや、顔とか性格とかはまったく違うんだけどさ、名前がシルヴィアっていうんだ(笑)。

ジーク:あー、えー、うわー(悶え)。

GM:そのシルヴィアが実質リーダーで、他の3人はその取り巻きのようだ。

クラウス:シルヴィア一味なんだね。『こんなガキが文字なんて読めるとは思えねぇな』『これはシルヴィア様のものだなっ!』

一同爆笑

ジーク:やなやつー(笑)。じゃあ近くにいる同い年くらいのラットに聞こえるように「くだらねえことしやがって」とかつぶやきますけど。

ラット:うわ、こっちに振られた(笑)。都会って怖いな……とかただ見てたるだけだったのに。

ジーク:「こんなうらぶれた場所で偉そうにしてるバカなやつらを、俺と一緒に止めてみないか?」と、がしっと肩をつかむ(笑)。

GM:「おお? そいつは聞き捨てならねぇなぁ」と今度はジークに絡もうとするね。

クラウス:『まさかこの店に、まだシルヴィア様にたてつく奴がいたとはな!』(笑)

GM:「おやおや、誰かと思えばジーク坊やじゃねーか」まあ、相手も地元民ってことでジークを見知っていたらしい。 「なんだなんだ? ガキは早く帰って、母ちゃんのおっぱいでも吸ってな!」(笑)

ジーク:かっちーん。「お前らはそんなふうに、弱いもの相手に吼えるしか脳のないやつらだったな」

GM:そうなると、てめえやるか?という雰囲気になりますな。

クラウス:じゃあおもむろに席を立とう。「どうやら空気が悪いようだ」

一同爆笑

クラウス:一応マスターに聞いておこうか。「多少騒ぎ立てをしてもかまわないのだろ?」

GM:亭主はもう片目しかないわけだが、「ふー、今日もタバコが旨いな」とパイプをふかしつつ、その残った目の方もつぶるね。

クラウス:よし、お許しのサインが出たぞ(笑)。「そこまでにしておけ。年端もいかぬ者を玩具にするなどどういうつもりだ。 こういう者を守るものこそ冒険者だと私は聞いているぞ。その紋章は飾りか!?」

ジーク:「やつらにそんなこと言ってもムダだぜ、おっさん」

一同爆笑

クラウス:いや、おっさんだけどさ(笑)。

ラット:なにやら巻き込まれたっぽいので、しょうがないなーと立ちます。「都会は物騒だな……」

ジェセル:そんなことになってるのに俺は絡まず、「騒がしいところだね、母さん」と人形を撫でてる。

一同爆笑

ラット:この人危ない!(笑)

クラウス:「どうしたらいい?」と少年に聞こうかな。

GM:「父ちゃんの地図を奴から取り返してくれよ」

クラウス:「その報酬はいかほどだ」

GM:「わかった、取り返してくれたら、あんたらにその情報をくれてやる。 あれは父ちゃんがまだ調査が必要だから売りにださなかっただけで、本当はものすごいお宝につながっているんだ!」

ジェセル:そしたら、ごろつきは『うそつけ、お前の父ちゃんは、怖くなって逃げたに決まってんじゃねえか』っていう感じで(笑)。 『お前の父ちゃんは臆病者だ!』とか言われたときに、俺がピクって反応するから。

一同爆笑

ジェセル:聞き捨てならねーな、みたいな感じで立とう(笑)。

GM:じゃあ、それに対して少年は「違う、父ちゃんは臆病者なんかじゃない!  他の誰がなんと言おうと、俺は父ちゃんを信じる!」くらいのことは言おう。

ラット:そんな言葉を聞かされたら協力せざるを得ないなぁ。こっちも親を探している感じだし。

クラウス:こっちも親が行方不明か。このパーティには親が不足しています!

ジェセル:ん? 親いますがなにか?(人形を抱えつつ)

GM:その親はしゃべってくれないだろ(笑)。

クラウス:母さんは無口なだけだよ。

ジェセル:いや、結構しゃべるよ?

一同爆笑

ジーク:あぶない、あぶないよー(笑)。

GM:皆さんどうします?

デルタ:こいつらがこの店のバッジもってるのに、自分が持ってないのが個人的には気に入らないかな。

GM:こっちとしてはジーク1人を相手しようと思ってたんだが、みんながくるとなると話が変わるな。ちなみにキミたち装備は?

クラウス:ライフル。

デルタ:セスタスとスパイクブーツ。

ジーク:バスタードソード両手持ち。

ジェセル:ライトフレイルと「人形」。

一同爆笑

GM:別の意味で怖ぇぇぇぇぇぇぇ(笑)。こちらはシルヴィア含めても4人だし、そっちの方が人数多いのか。 じゃあ、これまで離れたところで気だるそうにしていたシルヴィアが、『アウディ、埃っぽくなるのはゴメンだよ』と、絡んでる男に声をかける。

ジーク:こっちは、今日こそぶっ飛ばしてやんよ!ってな感じです(笑)。

GM:アウディと呼ばれた男は、シルヴィアも味方してくれそうにないってんで、大きく
舌打ちをする。「ふん、しらけたぜ」と。

クラウス:『河岸を変えるか』みたいな(笑)。

GM:そんな感じだね。出て行き際にその紙を破り捨てて去っていく。

クラウス:『ああ、お父さんの地図が!』

ジーク:破り捨てられた紙片を集めて、泣きながらパズルしてるんですよね(笑)。

ラット:じゃあその少年に近寄ろう。

GM:ラットなら年も近いし話しかけやすいかな。そしたら少年は半べそ顔しつつも「大丈夫だ、地図ならここに入ってる」と、自分の頭を指そう。 「何度も見直したから」

ラット:すごいなあ、若いのに。

GM:冒険者の店には「探索者」という遺跡の情報を売るのを生業にしてる人がいるんだ。 彼のお父さんはその探索者だったんだが、この地図をまだ売らなかった理由が
あって、実はまだ調査途中らしいんだよね。 それを「僕の手で完成させたい」ということらしい。

デルタ:いや無理だろ。

ラット:気持ちはわかるが、実力が伴ってない気がするなぁ……。

ジーク:「よし! あの糞野郎どもを見返すために、俺が一緒にやるよ!」

GM:「本当かい!?」と目をきらきらさせながらすがろう。

ジーク:そして「お前もその気なんだろ?」と、ラットに(笑)。

ラット:うわ! また巻き込まれてる!

クラウス:そこに私は割って入ろう。「少年よ、その遺跡が未盗掘であり、さらに奥まで
あるというのは本当か?」

GM:「ああ本当だ。父ちゃんがこう言ってた。『もしかしたら、神への道が開けるかもしれない』って」

クラウス:なにいいいいいいいい! よろしい、引き受けた!(笑)「その探索に私も加えてもらえないだろうか?」とラットとジークに。

ジーク:「おっさんもくんの? いいけど」(笑)

ジェセル:そしたら俺は、たまたま俺のところまで飛んできた紙の破片を持って、「キミのお父さんは、立派なひとだったんだろ?」 とその破片を机の上に置く。俺も行くぜ、的な意味で(笑)。

ラット:それで地図が完成するんですね。

クラウス:いやいや、まだ足りない。もう1ピース足りない。(デルタの方を見る)

GM:どうやら最後のピースが風に舞って、デルタの足元まで飛んだようだ(笑)。

クラウス:俺たち全員がその方向を見るわけよ。そしたらリングシューズが(笑)。

挿絵1

デルタ:やべえ、はめられてる(笑)。「この依頼、果たせたときはここのエンブレムはもらえるのかい?」と、そのピースをつかんで親父に聞きます。

GM:ロッジはようやくこれまで閉じていた片目を開き、そのあとパイプをすぱーっとふかして言う。「まあ……連中よりふさわしいんじゃないか?」

ラット:じゃあ話は決まりかな? 「少年、キミの名前はなんていうんだ?」

GM:「俺の名前はランディっていうんだ」

ラット:「ランディか。よし、道中よろしく頼むぞ」

2ページ目へ続く

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