≪狡猾なる魔術師の打算≫

GM:「次の日になりました。」

ボン:「ハ〜イハイハ〜イ、ハ〜イ♪」

GM:「何?」

ボン:「『ラック』。」

ヴォーグ:「朝のお勤めだね。」

ボン:「そう、朝のお勤めだからね。」

グロック:「いいな、お勤めがあって…。」

ボン:「…1ゾロで〜す♪」

一同爆笑。

ファレン:「私は午前中に魔術師ギルドに挨拶しに行く。」

GM:「そうすると受付の魔術師が君に声を掛けてくるよ。」

ファレン:「こんにちは。」

GM:「『聞いたぞ。君も噂の人捜しをしているらしいな。』」

ファレン:「ああ、まあね。」

GM:「『手を貸してやるから、一割くらい分け前をくれないか?』」

ファレン:「何をすんの?」

GM:「『これだよ、これ。』と言って君に19点の魔晶石をくれるよ。」

ファレン:「有り難う。金が入ったら分けてあげよう。」

そして昼ごろ…。

ネリィ:「魔術師ギルドに行って、暗黒神を崇めている教団などについて色々調べてきます。」

GM:「そうすると、受付の人が君に声を掛けるよ(笑)」

ネリィもこの魔術師から18点の魔晶石をもらって帰りました。もちろん報酬の一割をあげる事を交換条件に…。ちなみに収穫は無し。そうこうしていると、夜になり『囚人の過誤』亭に行く時間になった。

≪サバターの過去≫

GM:「『囚人の過誤』亭はテーブルが四つくらいの小さな店です。」

ヴォーグ:「エールはいくら?」

GM:「1ガメル。」

ネリィ:「客足は?」

GM:「まばら。」

ネリィ:「客層は?」

GM:「人相の悪い人ばかり。」

ファレン:「店のマスターにエールを注文する。」

GM:「『ここらじゃ見ない顔だな。新顔か? まあスラムに出入りする奴にろくな人間はいないが…。』」

ファレン:「スイットという男は知らないか?」

GM:「『…スイットか。今日はまだ来てないようだな。』」

ヴォーグ:「それなら待たせてもらおう。」

GM:「『それがいい。そのうち来るはずだ。』」

このあとリーダーの金で騒ごうとか、訳が分からん展開になりそうな気配になったりしたのだが、その時…。

GM:「店に誰か入ってきます。主人は注文の品を持って来たときに、目線で合図します。おそらくスイットらしいよ。」

ヴォーグ:「スイットが来たみたいだよ。」

ファレン:「(リューに向かって)行ってらっしゃい。」

リュー:「ええ!?」

ネリィ:「相手は年寄りみたいだから、年寄り同士で話をしてね。」

ヴォーグ:「俺は面識なし…って全員が面識ないじゃん(苦笑)」

グロック:「リーダー頑張れ。」

なんでこうも自ら動かん連中ばかりなのだろうか。リーダーもあまり行動力ないし(泣)。先行きがとれも不安なGMであった…。

GM:「どうすんの? スイットはカウンターで飲んでますけど。」

ファレン:「じゃあ俺が行こう。一杯奢らせてくれ。」

GM:「(唐突だなぁ)『見かけん顔だな…。しかも普通の人間じゃねぇな。何かヤバイ事でもやったのか?』」

ファレン:「ちょっと事情があってな。」

ヴォーグ:「サバターに心辺りは有るか?」

GM:「『サバターか。最近この店に来て、仕事の話を持て来たな。』」

ファレン:「そいつがどこへ行ったか知らないか?」

GM:「『断ったから、聞いてない。』」

ファレン:「そうか…。」

GM:「『アイツ、何かヤバイ事でもやったのか?』」

ヴォーグ:「かなりね…。」

ファレン:「かなりヤバイ仕事。」

ヴォーグ:「相談があるんだが、もしサバターがもう1度接触してきたなら、手伝いたいという者達がいるということで紹介してくれ。」

GM:「『かまわないが、俺にも生活があるんで…。』」

ヴォーグ:「リーダー、財布(笑)」

ファレン:「俺が89ガメル渡しておく。」

GM:「『連絡先は?』」

ヴォーグ:「『古代王国の扉』亭によろしく。」

GM:「『これで用は終わりか?』」

ヴォーグ:「サバターが出入りしていた場所なんか知らないか?」

GM:「『そうだなぁ…。』」

ヴォーグ:「遊びに行っていた場所とか。」

GM:「『精霊の翼』亭という飲食店に出入りしていたという記憶があるな。そこで給仕をしていた女とつき合っていた事を聞いたような…。』」

ヴォーグ:「なるほど。『精霊の翼』亭にでも行ってみようか。」

ファレン:「それとも囮捜査でさらわれてみる?」

ヴォーグ:「俺は『精霊の翼』亭に行くぞ。他の人でやってくれ。」

ファレン:「(ネリィに向かって)使い魔の梟を連れて行っていいから。」

ネリィ:「いや、私にはヘビのササニシキ君がいるから。」

ここでも決して結論の出ない議論が続くので省く事にします。

GM:「話はまとまった?」

ネリィ:「うん。」

ファレン:「まとまった。」

リュー:「まとまって無いじゃないですか(苦笑)」

ネリィ:「生肉を連れて囮をします。」

ボン:「俺を連れても囮にはならんぞ。」

GM:「でもボンちゃんには、レンジャー技能があるじゃん。」

ボン:「まあね〜♪」

GM:「で、金属鎧でガシャガシャ鳴らして隠れる(笑)」

ネリィ:「鎧を脱いでいこう。」

ボン:やだ。

ネリィ:「木の葉一枚っていうのもいいかも(笑)」

ヴォーグ:「だったら全身タイツだろう。」

GM:「それはいいかも(笑)」

ヴォーグ:「だって名前がボン・ヂュールだよ?」


一同爆笑。

ボン:レンジャー技能で全身タイツで完璧だ!

一同爆笑。

結局のところ、今回も二手に分かれて行動することになった。本当に結束力が無いなぁ。

囮捜査チーム=ネリィ、ボン、リュー、ファレンの梟
精霊の翼亭チーム=ヴォーグ、グロック、ファレン

それぞれの場所で何が起こるか分からないということで、ファレンの梟を通じて情報を交換する事になった。

GM:「まずは『精霊の翼』亭チーム。この店は高級ホテル風の飲食店。」

ヴォーグ:「名前が凄いからね。」

ファレン:「財布の中身を確認。」

GM:「一応着きましたけど。」

ヴォーグ:「指名とか出来るの?」

ファレン:「あ、もしかして…。」

ヴォーグ:「名前聞いてないよ。スイットも知らなかったみたいだし。」

グロック:「とりあえず入ってから考えよう。」

ヴォーグ:「入って…席料とかチャージ料とか高そうだよ(笑)。」

グロック:「チャージ料とかあるのか?」

GM:「すげえ現代的な話だな。」

グロック:「チャージ料はかなり現実的だね。」

ファレン:「指名料か?」

ボン:「入場料とか?」

GM:「料金は3000円ポッキリとか言って、実はボッタクリ(笑)」

ネリィ:「衣服で引っかかったりして…。」

グロック:「あ、俺は駄目だ。」

ヴォーグ:「武器はカウンターに預けて…。」

GM:「だから健全な普通の店だって(笑)。何を期待してるんだよ!」

ボン:「それは、色々と…。」

一同爆笑。

ヴォーグ:「野郎ばっかりだし(笑)。」

大人の世界、夜の銀座や歌舞伎町の世界と勘違いしてるよ(苦笑)。

ヴォーグ:「普通の店なら主人に聞けばいいんじゃないの?」

ファレン:「ドワーフと目を合わせないようにします。」

グロック:「私は反対の方を見ている。」

ヴォーグ:「とりあえず一杯頼もうかな。」

GM:「ワインだね。5ガメルくらい払ってもらおう。」

グロック:「強い酒ってどのくらい?」

GM:「多分、8ガメルくらいかな。」

グロック:「今回のプレイで初めて酒を飲んでるよ(苦笑)。」

GM:「店の雰囲気から察するに、見るからに高そう。」

ヴォーグ:「こりゃあ、ツマミは無しだな。」

ファレン:「俺はツマミを頼もう。」

GM:「ツマミは2ガメルくらいかな。一品で…。」

ファレン:「2ガメル? 安いな。」

ヴォーグ:「いや、十分に高いぞ。」

グロック:「きっとお通しだよ、それは。」

GM:「知ってる? お通しって勝手に注文に入ってるんだよ。」

ヴォーグ:「ガーン! じゃあ2ガメルは自動的に取られるのね(泣)。」

グロック:「給仕って何人いるの?」

GM:「今は三人くらい。」

ヴォーグ:「サバターについて聞いてみよう。きっと誰かが知ってる。」

GM:「みんな知らないようです。『でも、調理場の人なら大体10年くらい前から働いている人も居るはずだから知ってるかも。』とか、 『そうねぇ、調理長だったらきっと知っているわ。』とも教えてくれる。」

グロック:「じゃあ、何か料理を頼もう。」

ヴォーグ:「シェフのお薦めで頼んで、料理長に来てもらうのか。キャーッ!一体どの位の金額がかかるの!?」

GM:「15ガメルです。」

グロック:「安いよ。」

ヴォーグ:「高いぞ、一日暮らせるんだぞ。」

ヴォーグ君の大正解、まさにその通り。この世界は10ガメルあれば、最低限の生活は出来るのだ。一般市民にとって、一品15ガメルは結構な出費。多分、この店でフルコースを食べたら確実に50ガメルは飛ぶね(笑)

グロック:「それでシェフを呼んでもらう。」

GM:「しばし待つと料理が来ます。それを食べていると料理長らしき人物がやって来て一言。『お味はいかがでしょうか?』」

三人:「おいしい〜♪」

GM:「コック技能が7レベル程度あるからね。」

ファレン:「そんな風に褒めつつ、話を切り替えて…。」

ヴォーグ:「昔、よからぬ男とつき合っていた女性は働いてなかったか?」

GM:「『そういえば給仕のソニアが、サバターとかいう名前の盗賊と、つき合っていたらしいな。』」

ファレン:「今は何処に?」

GM:「『もう亡くなりましたよ。』」

食事の席で『死んだ』なんて話をするなんて、マナーがなっていなぁ。別の方法でのアプローチを考えるべきだったな…。皆さんも気を付けよう。

ヴォーグ:「何故?」

GM:「サバターがギルドにいた頃、5年くらい前にオラン周辺を荒らしてた盗賊団がいたんだ。もちろんギルドの許可を取らないで…。」

ヴォーグ:「ほう…。」

GM:「それによって対立が起こり、ギルドの対策メンバーの中にサバターがいたわけ。サバターは腕利きだったらしくて信用もあったみたい。盗賊団は サバターを切り崩す事が展開を有利に進める事になると考え、サバターの弱点と思われるソニアを狙った。結局、盗賊団は壊滅したんだけど、ソニアは犠牲になってしまった。 サバターはギルドを恨んで問題を起こしたあげく、オランを出たということらしい。」

ヴォーグ:「なるほど。」

グロック:「貴重な話をありがとう。50ガメルほどチップを渡します。」

ヴォーグ:「ついでに料理もそれで…。」

GM:「料理長の心配りで二品来るよ。見た目も豪華な美味しそうな料理が… きっと高価な料理なんだろうな。」

ヴォーグ:「これでご相伴に預かれる。でも飲み物はワイン一杯(泣)」

ファレン:「しかも食前酒。」

GM:「すると料理長の差し入れでワインが…。」

ヴォーグ:ファレン:「おお〜(泣)」

GM:「もちろんボトルでね。」

ヴォーグ:「ああ、ドワーフがラッパ飲み…(泣)」

グロック:「しないって。さあ、おまえたちもやってくれ…何かヘンだな?」

GM:「そんな事をやってるけど、君等のテーブルだけ異様にうるさいです。むしろ浮いている感じです。」

一同爆笑。

GM:「周りは静かに上品に食べてるのに君等だけ騒いでいる。」

この差し入れは、これを食べたらさっさと帰ってくれという意味が……。

ヴォーグ:「ソニアの家は?」

GM:「当時は住み込みだったらしいよ。」

もう得るものが無いと判断したヴォーグ達は店から出た。

一方、囮捜査チームは……。

≪初の戦闘、そして追跡へ≫

ネリィ:「シーフの勘で人を浚える場所を探してくれる?」

ボン:「むしろ浚われたいみたいな…という場所。」

一同爆笑。

GM:「それなら、私ならここで浚われたいという場所を発見(笑)。」

ボン:「もちろん囮には一番若い人だね。」

ネリィ:「保証は?」

ボン:「保証は好きなだけ。」

GM:「アメリカンワイドの癌保険だから(笑)」

ファレン:「アメリカンホームダイレクトだから(笑)」

ネリィ:「なるほど、OKです。」

ボン:「じゃあ、いってらっしゃい。」

ネリィ:「いってきまーす!」

こうしてネリィは囮となり、上位古代語を呟きながらウロウロすることに。

GM:「リューとボンは?」

ボン:「覗いている。」

リュー:「遠くから…(笑)」

ファレン:「俺の梟は上空から。」

GM:「みんな草葉の陰から見守るのね?」

ネリィ:「リーダー自らが囮になります(笑)」

GM:「レンジャー技能とかあるの?」

ネリィ:「無い。」

GM:「そうか…(じゃあ気付かんな)。」

ネリィ:「みんな、ちゃんと見てなさいよ。」

ボン:「見るだけなら幾らでもな(笑)」

GM:「突然、ネリィの周辺に何者かが現れます。セージでチェックして。」

ネリィ:「13。」

ボン:「5!」

ファレン:「16。」

GM:「知名度5だから全員が成功。相手はゴブリン三体です。当然ネリィを狙いますよ。理由は御想像の通りです。」

ネリィ:「嫌な感じ〜。」

GM:「『ゴブゴブゴブ! ゴブ、ゴブゴブゴブー!!』と襲ってきます。」

ネリィ:「みんなの方に逃げようかしら…。」

ボン:「馬鹿者! 囮が捕まらなくてどうするんだ!!」

GM:「とりあえず戦闘ですね。」

結局全員(梟抜き)参加の戦闘になった。しかし思った通りレベル5の冒険者たちの前では、ゴブリンはあまりに無力。あっという間に殲滅してしまうのだった。

ちなみにボンはこの戦闘で1ゾロを出して10点をゲット!どうやらラックでの1ゾロを引きずってるらしい(笑)

GM:「昏倒しているゴブリンB以外は撤退しますよ。」

ネリィ:「さあ、追いかけましょう!」

ボン:「昏倒してるゴブリンを担いで持っていく。」

GM:「すると森の奥で、何者かが走り去る音が聞こえます。」

ネリィ:「やっぱり誰かが見てたんだ。」

GM:「ちなみにゴブリン二体は、何者かが走り去ったと思われる場所付近で迷っているみたいですな。」

ファレン:「え、ゴブリンが!?」

GM:「自分たちを指揮していた奴がいなくなってしまい、どうしたら良いか分からなくなっているようだね。」

ボン:「縛ります。」

ネリィ:「お金にならないよ。肉屋にでも持っていくの?」

ボン:「情報を聞き出すのさ。」

ネリィ:「誰もゴブリン語を喋れないよ?」

ボン:「ギルドに持っていけばいいじゃん。」

ネリィ:「ゴブリンの持ち込みは拒否されるんじゃないの?」

ボン:「じゃあ、誰かがゴブリン語を覚えるまで飼い慣らす?」

ネリィ:「誰が?」

ボン:「(ネリィに向かって)君だよ、君。」

ネリィ:「何でよ!?」

ボン:「リーダーだろう。」

ネリィ:「それより逃げた奴を追跡していくのが定番だと思うんですけど。」

GM:「そんな事言ってると、ゴブリンは散り散りになって逃げていくよ。」

この後、ネリィの案が採用されてファレンの梟を使ってメンバーを招集。リューの発見した足跡を追跡することになった。

GM:「ある程度の距離を進むと、足跡が動物のモノに変わります。」

ネリィ:「ソーサラーだったんだ。きっとチェイプチェンジだよ。」

GM:「じゃあ、全員が冒険者レベル+知力ボーナスでチェックしてみて。」

ネリィ:「10。」

ファレン:「18。」

ボン:「9だって。」

ヴォーグ:「17。」

リュー:「17です。」

グロック:「12。」

GM:「15以上の人は、近くの木にロープで縛ったような傷を発見。」

ヴォーグ:「首でも吊ったの?」

GM:「多分、移動手段として馬でも用意していたんでしょうな。」

ヴォーグ:「なるほど…馬か。だから足跡が変わったのか。」

GM:「そうらしいよ。」

ネリィ:「じゃあ、動物の足跡を追跡しよう。」

ヴォーグ:「多分、かなり遠いぞ。」

ネリィ:「それとも引き返す?」

ヴォーグ:「でも、足跡は鮮度が良いうちに追わないとなぁ…。」

ネリィ:「疲れるのは嫌だから…寝よう。」

グロック:「寝るのならキャンプを張って、その中でもいいんじゃなのか?」

GM:「ゴブリンBがうなされているよ(笑)。コイツの存在を忘れてたよ。さてと、ゴブリBの生死判定をしよう…。」

ボン:「生きてる?」

GM:「…うん、まだ生きてる。」

ファレン:「セージ技能で応急手当だ。何で判定だっけ?」

GM:「それはレンジャー技能(苦笑)。早くしないとそのうち死ぬよ。」

ボン:「それじゃあ、応急手当をするぜ。」

GM:「成功だね。」

ボン:「じゃあ、そろそろコイツをミンチにしとく?」

グロック:「情報を聞くのが先じゃない?」

ボン:「でも街に戻らないと情報聞けないし…。」

ネリィ:「それなら戻って寝よう。」

このあと5分ほど訳の分からん議論が続いた。特にリーダーであるネリィの、戻って寝るという抗議が長かったなぁ。

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